【全国対応】47都道府県 区画線工事 電子納品ガイドライン早見表|SXF P21対応

区画線工事のCAD図面(電子納品)の提出ルールは、発注機関によって大きく異なります。国直轄事業から47都道府県、市町村発注案件まで、それぞれが独自の電子納品運用ガイドラインを持ち、SXFバージョン・レイヤ命名規則・フォルダ構成・属性XMLの必須項目に至るまで仕様差が存在します。

本記事では、区画線工事における電子納品の義務化状況、CAD納品形式の標準(SXF P21)、47都道府県別のガイドライン一覧、そして区画線CAD図面外注時の実務上の注意点まで、cad-line.jpが整理します。区画線工事の発注者・受注者の双方にとって、案件ごとの仕様確認の起点として活用ください。

電子納品制度の背景:CALS/EC と SXF

建設業界における電子納品は、国土交通省が推進する CALS/EC(Continuous Acquisition and Life-cycle Support / Electronic Commerce、公共事業支援統合情報システム)の一環として整備されてきました。国土交通省の直轄事業では、2001年度から電子納品が試行され、2004年度から全直轄事業で本格適用が開始されています。区画線工事も含めた道路工事完成図書の電子納品は、現在では直轄事業の標準業務となっています。

CADデータの納品形式として採用されているのが SXF (Scadec data eXchange Format) です。SXFは異なるCADソフト間でデータを正確に受け渡すために開発された交換標準で、国際規格 ISO 10303 STEP/AP202 に準拠した P21 形式が電子納品の正式ファイル形式として定められています。

令和8年(2026年)4月1日以降に契約締結する直轄事業からは、改定された電子納品要領・運用ガイドラインが適用されており、47都道府県側もこれに追随する形で順次ガイドラインを改定しています。

道路区分別 CAD図面提出義務マトリクス

道路区分別 CAD図面提出義務マトリクス

区画線工事の発注機関は、道路の管理区分によって異なります。CAD図面提出の義務化状況も、その管理区分ごとに大きく異なります。

道路区分管理者CAD図面提出義務適用基準備考
直轄国道(指定区間)国土交通省地方整備局義務SXF (P21)全直轄事業で2004年度から電子納品適用。区画線設置工事も対象(道路工事完成図等作成要領 / SXF Ver3.x P21)
補助国道(指定区間外)都道府県・指定市準義務(県ガイドラインに準拠)都道府県の電子納品ガイドラインに従う県ごとの電子納品ガイドラインに準拠。県別データは prefectures セクション参照
都道府県道都道府県県ごとに異なる県別ガイドラインに従う47都道府県すべてが何らかの電子納品ガイドラインを保有(ky-eng 2024-04 確認)
市町村道市町村自治体差大(紙・PDF・CADが混在)自治体差大(紙・PDF・SXFが混在)全国1,700市町村の網羅統計なし。発注者ごとに発注書・電子納品要領を都度確認が必須

直轄国道(指定区間)は2004年度から全事業で電子納品適用、SXF (P21) 形式が必須です。一方、補助国道(指定区間外)と都道府県道は管理する都道府県のガイドラインに従います。市町村道については全国統一の義務化はなく、自治体ごとに採用状況が大きく異なるのが現状です。

CAD納品形式(直轄事業基準)

CAD図面の電子納品形式(SXF P21/SFC/P2Z)

電子納品におけるCADデータの形式は、以下のように整理されます。

形式用途国交省公式
SXF (P21)電子納品の正式形式(ISO 10303 STEP/AP202準拠・長期保存性)◎ 必須
SXF (SFC)作業中データ交換用(日本独自・国際標準外)× 納品不可
SXF (P2Z)P21の圧縮版△ 規定によって採用
DWG / DXFCAD独自形式× 電子納品では非標準

SXF (P21) は ISO 10303 STEP/AP202 に準拠した国際標準形式で、長期保存性が確保されているため、国土交通省が電子納品の正式形式として定めています。SXFには P21 のほかに日本独自の SFC 形式もありますが、SFC は作業中のデータ交換用であり、電子納品の納品形式としては採用されません。

令和8年(2026年)4月1日以降に契約締結する直轄事業から改定ガイドラインが適用されています。47都道府県側のガイドラインも改定が進んでいるため、案件受注時には必ず最新版のガイドラインを発注機関から入手する必要があります。

47都道府県別 電子納品ガイドライン早見表

47都道府県 電子納品ガイドライン早見表

各都道府県の電子納品ガイドライン名・最新改定年を地方ブロック別にまとめました。県名のリンクから、各県の詳細記事(道路区分別マトリクス・主要発注機関一覧・地理気象特性・FAQ等)に進めます。

北海道地方

都道府県ガイドライン名最新改定
北海道工事ガイドライン/業務ガイドライン/検査ガイドライン令和7年4月(2025-04)

東北地方

都道府県ガイドライン名最新改定
青森県青森県電子納品運用ガイドライン令和7年4月(2025-04)
岩手県岩手県電子納品ガイドライン平成19年3月(2007-03)
宮城県宮城県電子納品運用ガイドライン平成20年5月(2008-05)
秋田県秋田県電子納品運用ガイドライン平成29年3月(2017-03)
山形県山形県電子納品運用ガイドライン令和7年4月(2025-04)
福島県福島県電子納品運用ガイドライン令和7年3月(2025-03)

関東地方

都道府県ガイドライン名最新改定
茨城県茨城県電子納品ガイドライン令和7年3月(2025-03)
栃木県栃木県CALS/EC電子納品運用ガイドライン平成29年3月(2017-03)
群馬県群馬県電子納品運用ガイドライン平成29年3月(2017-03)
埼玉県埼玉県電子納品運用ガイドライン令和7年4月(2025-04)
千葉県千葉県電子納品要領平成20年5月(2008-05)
東京都東京都電子納品運用ガイドライン(建設局・財務局・水道局・下水道局・港湾局の5局別仕様)平成29年3月(2017-03)
神奈川県電子納品運用ガイドライン(土木工事版/建築工事版/土木委託業務等編/建築委託業務編 4種類)令和7年7月(2025-07)

中部地方

都道府県ガイドライン名最新改定
新潟県新潟県電子納品運用ガイドライン平成20年5月(2008-05)
富山県富山県電子納品運用ガイドライン(案)令和7年4月(2025-04)
石川県石川県電子納品運用ガイドライン平成29年3月(2017-03)
福井県福井県電子納品運用ガイドライン平成20年5月(2008-05)
山梨県山梨県電子納品運用ガイドライン平成29年3月(2017-03)
長野県長野県CALS/EC運用ガイドライン平成29年3月(2017-03)
岐阜県岐阜県電子納品運用ガイドライン平成28年3月(2016-03)
静岡県静岡県電子納品運用ガイドライン平成29年3月(2017-03)
愛知県愛知県電子納品運用ガイドライン平成29年3月(2017-03)

近畿地方

都道府県ガイドライン名最新改定
三重県三重県CALS/EC運用ガイドライン令和7年7月(2025-07)
滋賀県滋賀県電子納品運用ガイドライン平成29年3月(2017-03)
京都府京都府電子納品運用ガイドライン平成29年3月(2017-03)
大阪府大阪府電子納品運用ガイドライン平成29年3月(2017-03)
兵庫県兵庫県電子納品運用ガイドライン平成29年3月(2017-03)
奈良県奈良県電子納品運用ガイドライン平成29年3月(2017-03)
和歌山県和歌山県CALS/EC運用ガイドライン令和7年4月(2025-04)

中国地方

都道府県ガイドライン名最新改定
鳥取県鳥取県電子納品運用ガイドライン不明(要県庁確認)
島根県島根県電子納品運用ガイドライン不明(要県庁確認)
岡山県岡山県電子納品運用ガイドライン平成29年3月(2017-03)
広島県広島県電子納品運用ガイドライン平成29年3月(2017-03)
山口県山口県CALS/EC運用ガイドライン平成28年3月(2016-03)

四国地方

都道府県ガイドライン名最新改定
徳島県徳島県電子納品運用ガイドライン平成28年3月(2016-03)
香川県香川県電子納品運用ガイドライン平成20年5月(2008-05)
愛媛県愛媛県電子納品運用ガイドライン平成28年3月(2016-03)
高知県高知県電子納品運用ガイドライン平成29年3月(2017-03)

九州地方

都道府県ガイドライン名最新改定
福岡県福岡県県土整備部電子納品運用ガイドライン令和1年4月(2019-04)
佐賀県佐賀県電子納品運用ガイドライン(県土整備部・農林水産部・地域交流部)令和3年10月(2021-10)
長崎県長崎県電子納品運用ガイドライン不明(要県庁確認)
熊本県熊本県電子納品運用ガイドライン令和8年4月(2026-04)
大分県大分県電子納品運用ガイドライン不明(要県庁確認)
宮崎県宮崎県電子納品運用ガイドライン平成29年3月(2017-03)
鹿児島県鹿児島県電子納品運用ガイドライン令和7年3月(2025-03)

沖縄地方

都道府県ガイドライン名最新改定
沖縄県沖縄県電子納品運用ガイドライン令和7年5月(2025-05)

都道府県ガイドラインの仕様差を読み解くポイント

47都道府県のガイドラインは、いずれも国土交通省「電子納品要領・基準」「CAD製図基準」をベースとしていますが、運用の細部には県ごとの差異があります。受注時に確認すべき仕様差の主なポイントは以下の通りです。

  • SXFバージョンの指定:Ver3.x(最新)か Ver2.0(旧)かで、対応CADソフトと出力手順が異なります
  • レイヤ命名規則:国交省標準のままか、県独自の命名規則(プレフィックス・接尾辞等)が追加されているか
  • フォルダ構成:DRAWINGF(発注図)/DRAWINGS(完成図)等のサブフォルダ構成と、属性XMLファイルの配置
  • 属性情報の必須項目:図面属性XMLで必須となる項目(図面番号・縮尺・図枠・座標系等)の数と内容
  • 事前協議の有無:受発注者間で事前に納品形式を協議することを公式に規定している県があります(佐賀県等)
  • 電子成果品チェック:県指定の電子納品チェックシステムや、OCF認定チェックソフトでの事前検証の要否
  • BIM/CIM対応:埼玉県のように BIM/CIM フォルダや ICON フォルダの納品が原則化されている県もあります

これらの仕様差は、ガイドラインPDFの本文だけでなく、別添の運用要領・チェックリスト・記入例にまで分散して記載されているケースが多く、新規受注の都度ガイドライン全体を確認する作業負担が発生します。

市町村道案件における電子納品の実態

市町村道の発注案件については、全国の市町村で電子納品の採用状況が大きく異なります。政令指定都市・中核市レベルでは、ほとんどの自治体が独自の電子納品要領を整備していますが、人口規模の小さい市町村では紙またはPDFでの完結が依然として残っています。

市町村道の小規模単独工事(数百メートル程度の区画線再施工等)では、紙の完成図書のみで完結するケースもあり、CAD図面の作成自体が発注書で求められない場面も少なくありません。一方で、政令市発注案件や、補助金事業に該当する市町村案件では、都道府県基準あるいは国交省基準に準じた電子納品が求められる傾向があります。

市町村案件の受注時には、必ず発注書および特記仕様書で電子納品の要否・形式を確認し、必要に応じて事前に発注機関に問い合わせる運用が安全です。

電子納品で起こりやすい差し戻しトラブル

電子納品で起こりやすい差し戻しトラブル 7パターン

区画線工事のCAD図面(電子納品)で発生しやすい差し戻しのパターンには、以下のようなものがあります。

  1. SXFバージョン違い:発注者がVer3.xを指定しているのに、Ver2.0で出力してしまう(またはその逆)
  2. レイヤ分類の誤り:路面標示の種別(区画線・規制標示・指示標示)ごとのレイヤ振り分け間違い
  3. 属性XMLの必須項目欠落:図面属性XMLで必須項目(図面番号・縮尺・図枠サイズ等)の記入漏れ
  4. 線種・線幅の不一致:CAD製図基準で定められた線幅(実線0.15m等)と図面上の表記の不整合
  5. フォントの埋め込み不備:標準フォント以外の使用、外字の発生
  6. ファイル名命名規則違反:図面種類記号・整理番号・改訂履歴記号の命名規則に違反
  7. 座標系の不整合:平面直角座標系の系番号や原点設定の誤り

これらは、納品前にOCF認定チェックソフトや発注機関指定のチェッカーで自動検出できる項目が多くあります。差し戻しは納期遅延・再作業コストの両方を発生させるため、納品前のセルフチェックが極めて重要です。

区画線CAD図面外注のメリット

CAD図面外注のメリット

区画線工事を施工する事業者の中には、自社内にCADオペレーターを抱えていない、あるいは繁忙期にCAD作業が逼迫してしまう事業者が多くいます。CAD図面の作成・電子納品データの整備を専門業者に外注することで、以下のメリットがあります。

  • 固定費削減:CADオペレーター人件費・CADソフトライセンス費用を変動費化できる
  • 仕様差の負担軽減:47都道府県のガイドラインを把握する社内コストが不要になる
  • 納期短縮:繁忙期の図面作成業務逼迫を解消し、施工管理に集中できる
  • 差し戻しリスク低減:電子納品の専門業者であれば、SXFバージョン違いや属性XML不備などの差し戻しリスクを事前に回避できる
  • 発注機関対応:県別ローカルルールへの対応経験が蓄積された業者であれば、新規県への対応もスムーズ

cad-line.jp の全国対応について

cad-line.jp は、全国47都道府県すべての電子納品ガイドラインに対応した区画線CAD図面製作サービスです。直轄国道・補助国道・都道府県道・市町村道、いずれの発注案件にも対応します。

各県のガイドライン詳細・主要発注機関・地理気象特性・実務上のチェックポイントは、上記の早見表から県名リンクをクリックして個別記事をご覧ください。各記事には、その県でCAD図面を作成・提出する際の実務上の注意点をまとめています。

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