クラウドCADの選び方|ブラウザで使えるCADツール比較

クラウドCADの導入を検討しているが、サービスが多すぎて選べない。そんな区画線工事業者・建設会社の担当者に向けて、ブラウザで使えるCADツールの特徴・費用・選定基準を具体的に解説します。オンプレミスとの5年間コスト比較や、区画線図面で使う場合の注意点まで網羅しています。

クラウドCADとは|従来型CADとの根本的な違い

クラウドCADとは|従来型CADとの根本的な違い

クラウドCADの概念図

クラウドCADとは、ソフトウェアをパソコンにインストールせず、Webブラウザ上で図面の作成・編集・保存ができるCADサービスです。データはクラウドサーバーに保管されるため、インターネット環境があればどの端末からでもアクセスできます。

従来型(オンプレミス)CADとの主な違いは以下の通りです。

比較項目クラウドCADオンプレミスCAD
導入費用月額3,000〜15,000円程度買切り15万〜80万円
利用端末ブラウザがあればPC・タブレット可インストールしたPC限定
データ共有URLで即共有・同時編集可ファイル送付が必要
アップデート自動(追加費用なし)バージョンアップ費用が発生
オフライン利用基本不可(一部対応あり)可能

建設現場では、事務所のPCで作成した図面を現場でタブレットから確認する、といった使い方が増えています。クラウドCADはこうしたマルチデバイス運用に強みがあります。

クラウドCADの主要5サービス比較表

クラウドCADの主要5サービス比較表
クラウドCADサービス比較

2026年時点で区画線・建設業界で利用実績のある主要クラウドCADサービスを比較します。

サービス名月額費用(税別)無料プランDXF/DWG対応特徴
AutoCAD Web約8,800円なし(30日体験)完全対応業界標準。DWG完全互換
Onshape約18,000円あり(公開限定)DXFインポート可3D特化。同時編集が強力
LibreCAD無料完全無料(OSS)DXF対応2D専用。学習コスト低い
ARES Kudo約3,500円あり(機能制限)DWG/DXF対応ブラウザ完結型。操作性良好
SketchUp Free無料〜約3,600円あり(Web版)DXFは有料版のみ直感的な操作。3Dモデル向き

区画線図面で重要なのはDXF/DWG形式の入出力に対応しているかどうかです。発注元の自治体や元請けがAutoCADを使用しているケースが多いため、DWGファイルをそのまま開けるAutoCAD WebやARES Kudoは実務上の安心感があります。

無料プランの活用法と限界

無料プランの活用法と限界
無料プランの活用

「まずは無料で試したい」という声は多く聞きます。無料プランは導入検討のハードルを下げる有効な手段ですが、業務利用には以下の制約を理解しておく必要があります。

  • ストレージ制限: LibreCADは無制限だが、Onshape無料版は作成ファイルがすべて公開設定になる(機密図面には不向き)
  • エクスポート制限: SketchUp Free(Web版)はDXFエクスポートに非対応。有料版(年間約43,000円)へのアップグレードが必要
  • 商用利用の可否: LibreCADはGPLライセンスのため商用利用可能。Onshape無料版は商用利用に制限あり
  • サポート: 無料プランはコミュニティサポートのみ。電話・メール対応は有料プランから

現場で即使える現実的な選択肢としては、ARES Kudoの無料プランで操作感を確認し、本格運用時に月額約3,500円の有料プランへ移行する流れがスムーズです。LibreCADは完全無料ですがインストール型のため、厳密にはクラウドCADではありません。ただし軽量で動作が安定しており、社内の2D図面作成用途には十分な機能を備えています。

クラウドCAD選定の5つのチェックポイント

クラウドCAD選定の5つのチェックポイント
選定チェックポイント

サービスの数が多いため、以下の5つの基準で絞り込むと判断がしやすくなります。

1. ファイル形式の互換性
取引先・発注元が指定するファイル形式(DWG/DXF/JWW等)に対応しているかを最初に確認します。特にJWW(Jw_cad形式)はクラウドCADで対応しているサービスが極めて少ないため、JWW納品が必須の場合はオンプレミスのJw_cadとの併用を前提に考える必要があります。

2. 動作速度と安定性
図面のレイヤー数が50枚を超えるような大規模図面を扱う場合、ブラウザの動作が重くなるサービスがあります。導入前に、実際の業務で使う規模の図面で動作テストを行うことを推奨します。

3. セキュリティとデータ保管場所
公共工事の図面を扱う場合、データの保管先(国内サーバーか海外か)が重要になるケースがあります。発注元のセキュリティ要件を事前に確認してください。

4. チームでの共有・権限管理
複数人で図面を編集する場合、閲覧のみ・編集可・管理者といった権限設定ができるかどうかを確認します。AutoCAD WebとARES Kudoは権限管理機能を備えています。

5. 月額コストの総額
表示価格はユーザー単位であることが多いため、利用人数を掛けた月額総額で比較します。3名で利用する場合、ARES Kudoなら月額約10,500円、AutoCAD Webなら月額約26,400円です。

区画線図面にクラウドCADを使う際の注意点

区画線工事の図面には、一般的な建築図面とは異なる特有の要件があります。クラウドCADを区画線図面に使用する際、以下の点に注意してください。

縮尺と寸法精度
区画線図面は実寸(1:1)で作成し、白線の幅(一般的に150mm・200mm・300mm)や間隔を正確に表現する必要があります。クラウドCADによっては縮尺設定が制限されているものがあるため、導入前に実寸作図が可能かを確認してください。

レイヤー構成の互換性
区画線図面では、既存ライン・新設ライン・消去ライン・寸法線・注釈をレイヤーで分けて管理します。DXFファイルをクラウドCADにインポートした際に、レイヤー構成が崩れないか(レイヤー名の文字化け、色情報の欠落など)を事前にテストすることが重要です。

出力品質
発注元への提出はPDF出力が一般的ですが、線の太さ・線種(実線・破線・一点鎖線)がPDFに正しく反映されるかを確認します。一部のクラウドCADでは、線種の表現がオンプレミス版と異なる場合があります。

JWW形式の壁
区画線業界ではJw_cadの利用率が依然として高く、JWW形式での納品を求められることがあります。現時点でJWWに直接対応しているクラウドCADはほぼ存在しないため、DXF経由でのファイル変換が必要になります。変換時にハッチングや文字の位置ずれが起きやすいため、変換後の確認作業を必ず行ってください。

オンプレミス vs クラウドのコスト比較|5年間総額

「結局どちらが安いのか」を5年間の総コストで比較します。3名利用を想定した試算です。

費用項目オンプレミス(AutoCAD LT)クラウド(ARES Kudo)
初期導入費0円(サブスク移行済み)0円
ライセンス費(年額 x 3名)約237,600円/年約126,000円/年
PC購入・更新(5年で1回)約45万円(高スペックPC x 3)約24万円(一般PCで可 x 3)
保守・サポートサブスクに含むサブスクに含む
5年間総額約163万円約87万円

5年間で約76万円の差が出ます。クラウドCADの場合、高スペックPCが不要になる点が大きなコスト削減要因です。AutoCAD LTは推奨スペックとしてメモリ16GB・GPU搭載PCを求めますが、クラウドCADはブラウザが動作すれば十分なため、1台あたり8〜10万円のPCでも業務に支障ありません。

ただし、インターネット回線が不安定な環境(山間部の現場事務所など)では、クラウドCADは作業が中断するリスクがあります。回線品質に不安がある場合は、オンプレミス型を基本とし、共有・確認用途にクラウドを補助的に使う「ハイブリッド運用」を検討してください。

この記事のポイント

クラウドCADの選定にあたって、以下のポイントを押さえておくことが重要です。

  • DXF/DWG互換性を最優先で確認する(特に発注元の指定形式)
  • 5年間の総コストで比較する(PC費用を含めるとクラウドが約76万円安い)
  • 区画線図面では縮尺・レイヤー・線種の再現性を必ずテストする
  • 無料プランは検討用。業務利用は有料プランの機能で判断する
  • 回線環境に不安がある場合はハイブリッド運用を検討する

自社でCADソフトの選定・運用に手間をかけたくない場合は、図面製作そのものを外注する方法もあります。当サービス「きゃどチーム」では、区画線CAD図面製作の専門チームが、お客様の課題解決をサポートしています。まずはお気軽にご相談ください。

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ジョージ
ai株式会社 代表取締役
1974年長崎県生まれ。2006年に起業し、理美容室・アパレル・不動産事業を展開。2025年にai株式会社を設立し、デジタル技術を活用した会社運営を実践中。区画線CAD図面製作サービス「きゃどチーム」を運営。

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